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労働力の減少により、
需要と供給にミスマッチが。
日本の土木・建築業は今、
ピンチをむかえています。

急激な人口減少にともなう労働力不足
中でも土木・建設業は深刻

日本の急激な少子高齢化は労働力人口の減少につながり、多くの業界で将来的に人手が不足するだろうと予測されています。中でも建設業がかかえる人手不足の問題は深刻で、就業者数は1997年の685万人をピークに、2018年には503万人と約25%以上も減少しました。加えて、労働力の高齢化が他の産業と比べても進行していることも大きな課題。今後10年間に、豊富な経験で現場を支えてきた多くの人材が離職することが予想されています。これは、高いスキルを持った建設技能労働者の減少も意味しています。ある試算によると建設技能労働者は、2025年には必要数に対して130万人も不足してしまうと推計されています。

建設技能労働者数の推移と推計

建設技能労働者数の推移と推計
出典:総務省「労働力調査」、一般社団法人日本建設業連合会「再生と進化に向けて〜建設業の長期ビジョン〜」
http://www.nikkenren.com/sougou/vision.html
より作成

上がらない土木・建設業の生産性と、
その課題

土木・建設業の特徴として、相対的な生産性の低さがあります。他産業に比べ、生産性が上がらない理由として、以下のような原因があげられます。

物理的な建設現場の特性

一品受注生産
同じ地形の同じ工事は存在せず、常に異なる土地で
違う注文にオーダーメイドで応えなければならない。
現地屋外生産
様々な地理的、地形条件下で、刻々と変化する
気象条件等に対処していかなければならない。
労働集約型生産
現場まで多くの人間が赴かなければならない。

細分化された分業体制

建設生産プロセス(調査・測量→設計→施工→検査→維持管理・更新)ごと、各工程(材料調達・部品調達・各種専門工事など)ごとに細分化されているため、個々では改善しにくい。

中小企業や個人事業主

大半を中小企業や個人事業者が占めており、先端技術の導入ハードルが高く、現状維持傾向にある。

付加価値労働生産性

付加価値労働生産性
一般社団法人日本建設業連合会「建設業ハンドブック 2019」
https://www.nikkenren.com/publication/handbook.html
より作成

進まない働き方改革
若い労働力の業界離れ

労働人口が減り、生産性が上がらないことから、業界全体の“働き方改革”も進んでいるとは言えません。労働時間や年間出勤日数は大きく改善されてはおらず、改革が進む他業界とのギャップが大きくなる傾向にあります。これらは若者が進んで土木・建設を仕事として選びにくくしています。ここ数年、新規学卒者の建設業への入職者数は4万人程度で推移していますが、離職者の穴を埋めるには至っていません。
また業界の特性上、女性の進出も進んでいないのが現状です。

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需給ギャップを埋めるため、
業界の活性化が急務

労働力人口の減少と生産性の低さという課題に直面している土木・建設業ですが、その需要が低下するわけではありません。生活基盤である上下水道・公園や産業基盤となる道路などを新たにつくることはもちろん、老朽化した施設の維持・管理をし続けなければなりません。また、近年激甚化傾向にある自然災害に立ち向かうために、治山や治水といった国土の保全作業も欠かせません。
人々の暮らしを将来にわたって持続していくためには生産性を向上させ、より多くの人材が集まる、活気ある土木・建設業界を取り戻すことが求められています。

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